今年はインフルエンザが猛威を振るい、ワクチン不足も相まって、1月末までの推計患者数は全国で約283万人にも登りました。
そんな中、シオノギ製薬が従来の治療薬とは異なる作用でウイルスを撃退する新しいインフルエンザ治療薬『ゾフルーザ』を開発し、2月23日に厚生労働省がこの新薬の製造販売を承認しました。
従来の治療薬の何が違うのか
インフルエンザのウイルスは、鼻や喉から入り粘膜の細胞に入り込みます。細胞の中に入り込んだウイルスは細胞内で増殖した後に、外に出て隣の細胞を次々と入り込んでどんどん増え、24時間で100万倍に増えるといわれています。
従来の治療薬として使用されてきたタミフルやリレンザなどの薬は、増殖したウイルスが細胞から外に出るのをはばむことで、周囲の細胞に感染し広がるのを防ぐ薬でした(ノイラミニダーゼ阻害剤)。
しかし、新薬「ゾフルーザ」は、細胞の中でウイルス自体が増えないようにする働きをする、これまでの治療薬とはまったく異なった作用をする薬なのです(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤)。
効果
ゾフルーザは、日本とアメリカのインフルエンザに感染した患者を対象に臨床試験を行った結果、インフルエンザウイルスを24時間以内に殺すことに成功しています。
この効果とスピードは、インフルエンザ治療薬で有名なタミフルの約3倍はやいものになります。
またゾルフーザは、一般的なインフルエンザウイルスのA型とB型のウイルスに対しても効果があります。
服用回数は1回だけ!
ゾフルーザは、1日1回の服用でOKです!
タミフルが1日2回、5日間の服用しなければならないのに対し、錠剤を1回飲むだけで済むので、インフルエンザに感染した患者にとっては嬉しい限りです(飲み忘れといったこともなくなりますしね!)。
副作用
副作用としては、下痢や頭痛、ALTの増加などがあるようですが、タミフルなどと比べると副作用の発生率は低いという臨床結果が報告されています。
まとめ
新薬の開発では海外に大きく遅れを取ってる日本の製薬会社ですが、ゾフルーザは日本が世界に先駆けて初の承認です。
ゾフルーザは、24時間以内にインフルエンザウイルスを撃退するとのことなので、他人への感染が減り、学校や職場などでのインフルエンザの広がりが抑えられるのではないでしょうか。
しかも、1日1回服用するだけで効果があり、副作用の発生率も低い!
こんな素晴らしい薬を開発してくれた研究者の方々に本当に感謝です!