以前、当ブログでも少し触れたことのある、手術支援ロボット『ダ・ヴィンチ(da Vinci Surgical System)』ですが、『ダ・ヴィンチ』を用いた手術における保険の適用範囲が広がったようです!
本年(2018)1月17日、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会において、手術支援ロボット『ダ・ヴィンチ』の保険適用となる手術の範囲を拡大することが承認されました。
これまでは、「腎臓がん」「前立腺がん」しか保険適用されていませんでしたが、今回、これら2件に加え、「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術」「腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術」など12件が保険適用となりました。(計14件が適用。施行は2018年4月から)
これら保険の適用が追加されたことにより、肺がんや食道がん、胃がん、直腸がん、膀胱がんなど、主要ながんにおけるダ・ヴィンチ手術が保険でカバーされるようになったのです。
2010年3月にダ・ヴィンチが日本で発売されて以降、約8年間、前立腺がんと腎臓がんにしか保険適用されていなかったのが、やっと適用範囲が広がったのは嬉しい限りです。
保険適用が拡大した要因としては、内視鏡の操作性の高さや、患者の選択肢を広げるといった観点から拡大したとのこと。
気になる保険点数ですが、既存技術と比較した優越性が現時点では示されていないことから、既存の鏡視下手術と同程度の評価になる見込みのようです。
新しく追加された保険適用
- 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術
- 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術
- 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除または1肺葉を超えるもの)
- 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術
- 胸腔鏡下弁形成術
- 腹腔鏡下胃切除術
- 腹腔鏡下噴門側胃切除術
- 腹腔鏡下胃全摘術
- 腹腔鏡下直腸切除・切断術
- 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術
- 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体癌に限る)
- 腹腔鏡下膣式子宮全摘術
さいごに
『ダ・ヴィンチ』を用いた手術の保険適用の拡大は歓迎するところですが、約8年も保険のカバーが2件だけだったという事実に、ある意味ビックリしました。
人の生命に関わることだけに、軽々には決められないことなのかもしれませんが、こういうところが日本の医療(行政)の問題点でもありますよね!