昨今では、駅をはじめとする様々な公共施設でAEDを見かけるようになったため、AEDが置かれている場所をなんとなく覚えている(思い出せる)という人も多いのではないでしょうか。
でも、設置場所を知っているだけでは勿体無い!
AEDとはどういうものなのか?どんな使い方をするのか?ということを把握しておくことが大切です。
予想外のできごとはいつ訪れるかわかりません!
折角設置されているのであれば、イザとういときにいつでも使えるように日ごろから気にかけ、もしもの時のために備えておきましょう!
AEDとななにか? 周辺にAEDがない場合の救急法を紹介します。
AEDとは!
AEDは、Automated External Defibrillatorの略で、日本語では「自動体外式除細動器」と言います。
今では様々な場所で見かけるAEDですが、AEDが普及した要因は、2004年の法改正により、医療従事者でなくとも一般市民が使用できるようになったため、現在のように数多く設置されるようになりました。
それでは、AEDとはなにをするものか?
AEDとは、心臓が痙攣し、血液を循環させるいわゆるポンプの機能が失われた状態(心室細動)になる致死性不整脈が起こった際、心臓に電気ショックを与えて、痙攣を取り除き(除細動)再び規則正しいポンプのリズムに戻すというものです。
ここで大事なことは、AEDは突発的な不整脈が起こった際に効果があるのであって、完全に停止した心臓には効果がないということです。
AEDは様々なメーカーから出されていますが、基本的な使い方はどれも同じです。
AEDが梱包されているケースを開き、スタートボタンを押すと操作方法を音声ガイドで教えてくれます。
また、AEDのパッドを書かれている図のように胸部などに貼ると、AEDが自動で心電図をチェックし、電流を流す必要があるかどうかを判断してくれますので、電気ショックが必要かどうか迷う必要はありません。
使い方はとてもシンプルで、音声にしたがって行えばだれでも簡単に行えるため、AEDが必要になった際には、慌てずに落ち着いてガイドに従い使用しましょう。
なお、救急車を呼んでから到着するまでの平均時間は約8.6分です。この時間に、的確にAEDで電気ショックを与えることができるかどうかがで、救命率が大きく変わってきます。
なぜならは、何も処置をしなければ、1分ごとに約10%ずつ生存率が低下していくと言われているからです。
つまり、もしもの際には、躊躇せずに迅速にAEDを行わなければならないということです。
AEDが見当たらない!そんなときはどうしたらいいのか?
自動車の免許を取得する際、教習所で心肺蘇生法を習った記憶はありませんか?
習っていたとしても、だいぶ昔のことで忘れてしまっている方も多いかと思いますので、これを見て思い出してみてください。
【肩を軽く叩きながら呼びかける】
「大丈夫ですか!わかりすか!」など声をかけ、意識があるかどうかを確認します。意識があった場合は必要な手当てだけでOKです。
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【助けを呼ぶ】
相手の意識がない場合は119番に通報しましょう。しかし、通報は自分ではなく、できるだけ周りの人にかけてもらいましょう。周りに人にお願いするのは、通報は他の人にまかせて、自分は迅速に次の処置に移るためです。
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【気道の確保】
意識がなくなると、筋肉が弛緩して舌で気道を塞いでしまうため(これを舌根沈下といいます) 、片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本であご先を持ち上げます。これで気道が確保され、呼吸ができるようになります。
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【呼吸のチェック】
気道を確保した状態で、顔は傷病者の胸に向けながら頬を口の付近に近づけ、10秒程度確認します。顔を傷病者の胸の方に向けるのは、目で胸が上下しているかをチェックするためです。
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【人工呼吸】
呼吸をしていないようであれは、気道を確保したまま、相手の鼻をつまみながら自分の口から傷病者の口へ2回息を吹き込みます(約500~800mL)。そのあと、目で胸の動きを確認します。この際、鼻をつまみ忘れると鼻から空気が漏れて効果がないので、忘れないようにしましょう。
なお、他人と口同士が触れるのが嫌な方は、人工呼吸用のマスクなんてものも市販されているようですよ。
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【循環のサインを確認】
人工呼吸が終わったら、傷病者が咳や呼吸を始めたかなどをチェックします。これも10秒程度チェックします。
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【心臓マッサージ】
循環のサインがない場合、服を脱がして(場合によっては破って)、胸の真ん中(乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中)に手をもっていき、肘を真っ直ぐに伸ばし、体重をかけて垂直に圧迫します。回数は1分間に100回。
さいごに
心臓マッサージの際、相手の肋骨を折ってしまったりすることがあるかもしれません。
しかし、重大な落ち度や悪意がなければ、一般市民が善意で行った応急手当に関し、その結果の責任は法的に問われないことになっているので安心してください(総務庁長官官房交通安全対策室「交通事故現場における市民による応急手当促進方策委員会報告書」) 。
また、救急隊の協力要請にで救命手当を行った際に生じた怪我や、何らかの病気に感染した場合は一定の要件の元で保証が受けられます。