2018年2月9日、韓国で行われる平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック。
開幕まであと3ヵ月をきり、韓国の各地ではオリンピック関連のイベントが行われるなど、大会に向けて盛り上がりをみせています。
しかしその一方、北朝鮮による挑発行為を防ぐ対策や、メインスタジアムの構造など、いくつもの問題点が指摘されています。
平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックの問題点とは?
北朝鮮による挑発行為
ソウルから車でおよそ2時間。
韓国のアルプスと呼ばれる自然豊かな街 平昌は、南北軍事境界線からわずか80Kmの距離にあります。
そのため、平昌は、多くの陸軍の部隊が駐屯する軍事的に重要な場所でもあります。
大会中、北朝鮮による軍事挑発はないのだろうか?
ヨーロッパの選手からは「不安な気持ちがあります」といった不安の声が・・・。
ドイツのメディアは、オーストリアとフランスが平昌冬季オリンピックに参加しない可能性もあると報じました。
北朝鮮の軍事挑発に対する不安が広がる中、開催国韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は北朝鮮に平昌冬季オリンピックへの参加を呼びかけており、「平昌の扉、平和の道は北朝鮮にも開かれています。北朝鮮が平昌にむけ一歩踏み出すのは、数百発のミサイルでは決して得ることのできない平和に向けた大きな前進になるでしょう」とコメントをしています。
これに対し韓国のメディアは、北朝鮮選手団のオリンピック参加が決まれば、大会期間中に軍事挑発を行う可能性は低く、安全なオリンピックというイメージも与えられると評価しました。
また韓国では、北朝鮮の平昌冬季オリンピックへの参加を促すため、国際オリンピック委員会(IOC)などに、北朝鮮が参加できるよう協力を要請しているとし、南北合同入場になどについても議論しているようです。
平昌冬季オリンピックの不安材料はほかにも
オリンピックのメインスタジアムとなる平昌オリンピックプラザ。
およそ3,5000人が収容可能で、ここでは大会の開会式などが行われる予定です。
しかし、オリンピック後の撤去を前提として作られたこのスタジアムは、予算削減のために当初から屋根のないスタジアムとして建設が進んできました。
そのため、外からの風が吹き込む構造となっています。
大会が行われる2月、平昌の平均気温は氷点下5℃、体感温度は氷点下10℃まで下がると予想され、数万人の観衆は寒さに耐え式典を観覧することになります。
今月4日、この会場で行われた祝賀コンサートでは、観客のうち5人が低体温症を訴え病院に運ばれました。
韓国では、開幕の日に雪は降らないと予想しているようですが、メインスタジアムの寒さ対策に備え、当日観客にひざ掛けや上着、使い捨てのカイロを配布する予定とのことです。
宿泊施設にも問題が
韓国のインターネットなどでは、「外国人に韓国イメージが悪くなる」など、現地の宿泊料金について、話題が沸騰しています。
普段、平昌周辺地域の宿泊料金は1泊で50,000ウォン程度、日本円にしておよそ5,000円ですが、韓国のホテル予約サイトにて大会期間中の宿泊料金を調べてみると、安いところでも30,000円を軽く超えます。
いくらオリンピック開催地とはいえ、通常の6倍以上の宿泊料の高騰に困惑する人も少なくないのではないでしょうか。
まとめ
平昌冬季オリンピックの開幕まで90日を切りました。
山積する問題点を解決して成功的な大会に導くことはできるのでしょうか?
近年のオリンピックは、できるだけお金をかけないで開催するという風潮ではありますが、体感温度氷点下10℃まで下がると予想されるメインスタジアムの温度には不安を覚えます。
とはいえ、参加選手全員が怪我なく最高のパフォーマンスを発揮し、良い結果を残せることを願っています。