昨今、日本を訪れる外国人が増えたことにより「ヌードル・ハラスメント」という言葉をよく聞くようになりました。
ラーメンやお蕎麦を食べるとき、日本人はズズズッと音を立てて麺をすすります。この音が外国人には不快に感じるらしく「ヌードル・ハラスメント」と言われています。
そこでカップヌードルを製造・販売している日清では、麺をすすって美味しく食べたい人と、麺すすり音を不快に感じる人との間に生まれる亀裂「ヌードル・ハラスメント」をどうにかしたいという思いから、同社初の試みであるクラウドファンディングによる、麺のすすり音をカモフラージュするフォーク『音彦 -OTOHIKO-』の予約受付を開始したようです。
『音彦 -OTOHIKO-』とは
見た目は少し太めのフォークといったかんじですが、このフォークに実装されている集音マイクが麺のすすり音を捉えたとたん、BluetoothでiPhoneに送信されiPhoneから麺すすり音をカモフラージュする音源が流れる仕組みとなっています。
商品名となっている『音彦』は、トイレについているTOTOの「音姫」から着想しこの名前になったとのこと。
カモフラージュ音の制作にあたっては、大量の麺をすする音を収集し解析したようです。
カモフラージュ音は、下の動画で聞くことができるので、興味のある方はぜひ一度見てみてください。
【音彦PV】麺すすり音カモフラージュ機能搭載フォーク「音彦」
共感できない『音彦』の必要性
私個人としては、まぁ尖った面白い商品だなぁとは評価しますが、正直あまりこの商品の必要性に共感できないところがあります。
以前、某テレビ番組で日本にいる外国人に行ったインタビューでは、麺をすする音について「うるさい」「不快」「トイレの音のよう」と、確かに不快に思う外国人が多くいました。
しかし、麺をすする行為は日本の食文化の1つであり、外国人が嫌がるからといって、あえて海外の基準に合わせる必要はないように思うんですよね。
だって麺をすする音も含めて日本の文化じゃないですか。
まとめ
繰り返しになりますが、決してこの『音彦 -OTOHIKO-』という商品が悪いと言っているのではないのです。むしろ変わった面白いこと考えるなぁと思っているくらいです。
ただ、力の入れる方向が間違っているのでは? と感じるのです。
このような商品を作るよりも、むしろ、麺をすするという日本の食文化を外国の方に広く知ってもらい、麺をすする音が外国人の方にも「ツウだねぇ」「粋だねぇ」と思ってもらえるような、そんな努力をしてもいいのではないでしょうか。
―追記―
「音彦」のネーミングですが、トイレの音姫から着想を得ていると知った時点で、なんかあまり食欲がわいてきません…。