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『放射線治療』という選択肢!!

日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡するといわれています。
それほど、がんは身近で怖い病気の1つです。

しかし、最近では医療技術の進歩や薬の発達により、早期発見・早期治療を行えば、がんも根治できるようになってきました。

がんの治療方法を大別すると、3つに分けられます。1つ目は「外科的手術」、2つ目は「抗がん剤治療」、3つ目は「放射線治療」です。

これら3つの治療法のうち、どれを選択するかは病巣の位置、進行具合、患者の持病や体力といった、様々な観点から医師が決定しますが、この中で「放射線治療」が最も患者の体に負担をかけない、いわゆるQOL(quality of life)を高く保てる治療法です。

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QOLとは

QOLとは、Quality of Life(クオリティ オブ ライフ)の略で、「生活の質」「生命の質」などと訳されます。

QOLには、患者の身体的な苦痛を取り除くだけでなく、精神的、社会的活動を含めた総合的な活力、生きがい、満足度という意味が含まれます。

がん治療には、特に抗がん剤治療では、むくみ、貧血、吐き気、脱毛など様々な副作用がともないます。また、外科的手術を受けたあとには、臓器の機能低下、損失などの副作用が考えられます。

放射線治療は、これら治療と比べて、もっとも高い質のQOLが見込めます。

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放射線治療

外科手術や抗がん剤治療に比べ認知度の低い「放射線治療」ですが、放射線治療はがんの病巣部分に放射線を当ててがん細胞を小さくしていく治療法です。

外科手術のように体にメスを入れることもないため、痛みもなく入院する必要もありません。また、術後、体に残る痕も手術と比べると、かなり小さくて済みます。

さらに、臓器を切除することもないため、機能や形態をそのままの状態に残しながら治療できるという点も放射線治療の大きなメリットです。

すなわち、QOLの高い治療法といえます。

放射線治療における放射線の種類

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上の図のように、一般的に放射線といっても様々な種類が存在します。

その中で、主にがんの治療に使われている放射線は、X線、がんマ線、電子線です。X線は体表面の近くで強い力で当たり、徐々に弱くなりながら体を通り抜けます。そのため、がんの病巣以外の正常な箇所(皮膚)も傷つけてしまいます。

陽子線は、一定の深さでぴたりと止まるという特徴があるため、がん病巣を狙ってくり抜くように治療することができます。

近年では、強度変調放射線治療(IMRT)といって、放射線の照射野の形状を変化させ、腫瘍の形に適した形で照射できるようになりました。

そのため、腫瘍周囲の正常組織への照射を減らし、副作用を増加させることなく、より強い放射線を腫瘍に照射することができます。

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放射線治療とQOL

先述にて、放射線治療はQOLが高い治療法だと記しました。

具体例として、喉頭がんを例に挙げてみます。進行し、外科手術にて病巣を切除する際には、喉を切り、声帯を取る治療を行います。そのため、首のネクタイの結び目のあたりに術後穴が空いてしまいます。

また声帯を切除するため、声が出せなくなるだけでなく、匂いがわからなくなる、鼻がかめなくなる、またお風呂に入ったときに水が入りむせるなど、日常生活にいろいろ支障をきたしてしまいます。

一方、放射線治療では、がんの腫瘍だけに放射線を当てがん細胞をやっつけるため、治療後も喉の形と機能をそのまま残すことができます。

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放射線治療の副作用

放射線治療として一般的に行われるX線などを使用した外照射(放射線を体の外から照射する)は、放射線が皮膚を通過して病巣に届くため、照射された部位の皮膚に日焼けのような症状が起こります。

症状としては、「ヒリヒリ感」、「熱感」、発赤や色素の沈着・脱失などの「色調の変化」、「むくみ」などです。

また、頭部への照射であれば、照射された箇所のみ脱毛が起こります。

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放射線治療が広がらない理由

治療後のことなどを考えるのであれば、放射線治療で治せるがんであるなら、迷わず放射線治療を選択する方が良いように思います。

しかし、欧米などに比べると、日本における放射線治療の実施数ならびに認知度は圧倒的に低いという現状です。

なぜならば、病院経営という点からみると、手術した方が売り上げに貢献できるからです。

また、日本の医療界には昔から残っている悪い慣例があり、いまだに外科が最も大きな発言力をもっています。そして、外科医師は手術したことが自身の実績にもなりますから、当然手術をやりたいわけです。

また、このような状況であるがために、放射線治療に携わる放射線治療医、医学物理士の人数が増えないということも、放射線治療が広がらない要因の1つでもあるのです。